古き良きブリティッシュスタイル

CRAFT BEER

クラシックでバランスの良いビール

「一般的には、クラフトビールと言えばアメリカンスタイルの大味で派手なものが流行。だけど、ウチはブリティッシュスタイル。昔ながらの飲み飽きないビールを目指している。」沼津クラフトを展開する柿田川ブリューイング株式会社の片岡哲也社長はそう語った。
その言葉を体現するビールこそが沼津クラフトのフラグシップビールの1つである。『マージ―サイドESB』だ。『マージ―サイド』とは、片岡氏がこよなく愛するイギリスのプロサッカーリーグのリバプールの本拠地がある地名。ESBとは、イギリス発祥のスタイルのビールでエキストラ(EXTRA)スペシャル(SPECIAL)ビター(BITTER)の頭文字である。
日本では馴染みがないビールスタイルだが、一度口にしてみるとモルトの奥深さを味わえ、時間をかけてゆったりと飲み続けられる、大人のビールである。

柿田川ブリューイング株式会社
〒410-0855 静岡県沼津市千本緑町2-8-10
TEL:055-919-6473
営業時間:9:00~18:00
定休日:土、日
テイスティングルーム
営業時間:12:00~18:00
定休日:不定休

製造に至るまでの険しい道のり

きっかけはイギリス留学。パブとビールの本場イギリスでの強烈な体験は、片岡氏のビール造りの原点となった。帰国後、沼津の醸造所に入社し、8年の下積みを経た後に独立。その後も苦労は多かった。海外から輸入した醸造設備が届くまでの長いもどかしい日々、醸造免許申請の複雑な手続き、融資を通すため事業計画について悩み抜いた苦い経験。そうした苦労を経て得られた資金も殆どは設備投資で消えた。経理からビール造りまで何でもやった。しかしそれでも、クラフトビールづくりには一切の妥協はしなかった。そうして生まれた沼津クラフトは文字通り片岡氏の血と汗の結晶である。

我を通してでも

かつて「何かお酒に関わる仕事がしたい。」と思い描いていた片岡氏の夢は、現在では大きく形を変えている。根幹の部分は一切揺らいでいない。「売れるものを作るために市場を意識するのではなく、我を通してでも自分が作りたいものを追求していきたい。」その言葉通り、片岡氏は必要以上に大規模な設備投資は行っていない。設備を追求すると、売り上げを追求し、売れすぎ上にかかりきりになる必要があるからだ。必要なモノを、必要なだけ使い、作りたいものを造る。それが現在の片岡氏のポリシーである。

代表者からの言葉

クラフトビールというと嗜好品に感じるかもしれませんが、日常的に飲んでもらえるような存在になってもらえると嬉しいです。真心こめて一生懸命作っているので、一度手に取ってもらって、それをキッカケにクラフトビール全体に興味を持ってほしいです。

ブリューマスター 片岡 哲也

ラブーン編集部
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