沼津ひものを支える「沼津ひものの会」

沼津ひもの会と日本一の品質を誇る沼津ひもの

「沼津ひものの会」とは、日本一の生産量と品質を誇る「沼津ひもの」を守り、その伝統と技術の継承、品質の向上を目指す組織。この会では、干物の美味しさを次世代に伝えるため、7月1日を“ひものデー”と名付け、かつて沼津の小中学校 42 校に1週間かけて無料で干物を提供していたのだ。※沼津では素揚げしたアジの干物を学校給食で配食している。
沼津ひものの起源は、江戸末期から明治初期に遡る。当時は、売れ残った鮮魚を自家消費するために干物を作っていたが、大正時代に沼津の適度な気候と柿田川の清らかな水が干物作りに最適であることに気づいた。そこから干物づくりが本格的な事業として発展したのだ。

現代の干物になるまで

昔の干物は保存食の意味合いで塩を強くし、腐敗元の自由水分を取るためにあえて堅干しにしていた。それが変わり始めたのは、1964 年の東京オリンピックの時代に遡る。オリンピックにより交通インフラが整備され、遠方への配送が可能になったが、当時の配送方法は木箱が主流で、断熱性に欠けるため、堅干しの干物でさえも遠方まで届けることは難しかった。しかしその問題を解決したのが、発泡スチロールの登場だった。発泡スチロールは断熱性に優れており、これにより冷凍状態での配送が可能になった。この結果、甘塩仕立て、水分を多く残した生干しに近いジューシーな干物を遠方に届けることが可能になったのだ。
さらに、健康志向の高まりとともに、塩が強い堅干しの干物ではなく、塩分が少なくヘルシーな干物が主流になった。※一説によると発泡スチロールを使っての配送は沼津が発祥と言われている。

美味しいアジの見分け方

美味しいアジの干物の見分け方は、頭が小さく、背中の中心部分が白く脂がのっていること、お腹の部分も白く、身がふっくらとした曲線を描いていること、尻尾が小さく色が黄色いことがポイントだ。実は、沼津ひものには外国産のアジも使われています。外国産のアジは脂がのっており、こってりした味わいが特徴で、日本のアジよりも若い人に人気だ。見分け方は簡単。日本のアジよりも頭が大きくて全体的にスリムなものが特徴的だ。

生産者からのメッセージ

生産者からのメッセージとしては、「魚の干物は朝食に最適です。グリルで焼いたり、電子レンジで加熱するだけでも美味しくいただけます。お茶漬けにしたり、一工夫するとさらに美味しくなります。白米、味噌汁、納豆、アジの干物での朝食は、日本人でよかったと感じられることでしょう。沼津のアジの干物は、今後も技術と品質向上に努めてまいりますので、ぜひご賞味ください。

撮影協力:ヤマカ水産
ラブーン編集部
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