他県民視点で見る静岡東部の方言について
静岡には方言は存在しない?
今回の記事は静岡東部の辺りでよく耳にする方言についてです。
移住前には漠然と「静岡って方言みたいなものは無いんだよなぁ」と考えていました。地理的に関東にかなり近く、また関西弁のような強い訛りなどに関しても特に耳にしたことがなかったためです。
しかし実際に移住してみると、「もしかして、これって方言なのかな?」というものにいくつか出くわしたので、他県民の目から見て「あ、この方言面白い!」と思ったものをいくつかあげてみようと思います。静岡県民の方にとっては、どれもお馴染みの表現でしょうが、他県民にはこのように聞こえるのかと新鮮に感じていただけたら嬉しいです。
①【だもんで】
「というわけで」「だから」のような意味でしょうか。「だも↑んでー、」のようなアクセントで使われ、会話の節々に入ってくるので耳にする頻度はかなり高いです。
他の地域で「だもん」というと、子供やぶりっ子さんが使うような少し幼く見えがちな表現ですが、こちらでは多くの方が自然に使っていて最初はとても驚きました。この語感がですね、本当に可愛らしいんですよ。すごく好きです。(決して馬鹿にしているわけではないですので誤解なきようお願いします)
②【ら】【だら】
こちらは語尾に付くタイプの方言ですね。「~ですよね?」「~だよね?」のように同意や推量を意味している言葉です……ですよね?笑
「この服いーら?」「そうだら?」みたいに使われているのをよく耳にします。沼津駅前の『イーラde』も「いいでしょ?」が由来らしいです。そして、何を隠そう弊社の発行している【晴レルラ】も『晴れる』+静岡の方言である『ら』を組み合わせた造語となっております。
この【ら】【だら】【ずら】、そもそもの使われ方が推量や同意の表現であるという特性も相まって、話し言葉として非常にマイルドで柔らかく聞こえます。(※個人の感想です) 大らかで寛容、のんびり落ち着いた方が多い静岡人の県民性を反映しているようで、個人的には特に好きな表現の一つです。
ちなみに、似た表現で【ずら】というものもありますが、こちらはもう少し南の方の伊豆の方らしいですね。特に年齢層が高めの方が使っているのをたまーに見かけます。初めて耳にしたときは「おぉっ!!」って少し感動しました。
③【さー】
これも語尾に付くタイプの方言ですね。新情報や驚き、自慢話が出てくるような話題の時に、「〇〇行ったさー↑」、「〇〇したさー↑」、〇〇買ったさー↑」みたいな感じで使います。他にも人に何かを教えるときに、「これはこうするさー」みたいな使い方をされている場面もよく見かけます。どこか得意げに何かの話題をシェアしようとしてくれている感じがして、思わず頬が緩んでしまいます。
【その他】
「じゃん」「〇〇じゃんね?」みたいなものもよく耳にするのですが、こちらは他の地域でもよく聞くので今回は外しておきました。他にも【わける】=「配る」のようなもの含めて、ちょこちょこと方言らしき言葉に日々遭遇しています。
こういった”未知との遭遇”は、まさに異文化交流(と言うと大げさですが)しているようでとても楽しいです。旅や引っ越しの醍醐味ですね。移住してきた僕自身もいずれは自然にこれらの言葉を使うようになるんでしょうかね。そうなった時に初めて『移住』から『定住』ということになるんでしょうか。その時が非常に楽しみです。
この記事を書いたひと
移住ライダー さん
東京から移住してきた謎のバイク乗り。最近あまり乗れていないのが悩み。